「TEAM-NACS全国公演COMPOSER 響き続ける旋律の調べ」
舞台のオープニング、下袖の暗闇で何度叫んだか分からないこの台詞。
しかし、最終公演でこの台詞を言いきった時、電気の様なものが身体を走った。
「これが最後なんだ‥‥!!」
俺の主観だが、他の4人も同じだったのではないだろうか。
それほど最終公演は全てが違っていた。
もちろん、クローズドサーキットのお客さんと、
お茶の間で見ているシアテレ加入者さんに生放送されているという、
いつもとは状況の異なる公演という事実からくる別の緊張感も確かにありはしたが、
やはり
「これが‥このツアーの最後なんだ」
という気持ちが、一番強く俺達の心にあったからではないだろうか。
そして終幕。
正直言って、俺にはその時「感慨深い」という感情はやってこなかった。
「実感がない」といった状況だったんだろう。
そして三日経った今、ようやく実感が湧いた。
「COMPOSERは終わったんだ」
もう二度と‥とは言わないまでも、
あのスタッフと公演を重ねていく事はできないんだ‥‥。
なんという喪失感だろう。
こんな気持ちは大学時代以来だと気付く。
とにかく全てが手に付かないといった感じだ。
思えば今年の始めからずっと取り組んできた公演。
こんなにもこの公演が自分の中でウェイトを占めていた事に、
終わってから気付く‥‥。
そりゃあ「全国公演」だもの‥‥当たり前だったんだ。
しかし、いつまでも感傷に浸っている訳にもいかない。
今日からは札幌を離れ、違う生活が待っている。
そうです。ご存知の方も多いと思いますが、
10月からのフジテレビ系連続ドラマ『1リットルの涙』に
出演させて頂く事となり、しばらく東京暮らしが続くのです。
そして、来年春には向田邦子さん原作の『びっくり箱~姉妹編~』という舞台の出演も決定しました。
高すぎるハードルが目白押しの状況下で、過去に捕われている暇などない‥‥。
しかし、COMPOSERが「過去」になってしまった事に、
未だに戸惑っている自分がいる訳で‥‥‥。
とにかく!今言える事は、
「ありがとう。お客さんも、今回の公演を支えてくれた全ての方々も、
本当にありがとう!マジでありがとう!!次も是非付き合って下さい!!」
これに尽きます。
今回の経験は、間違いなく今後のNACSに、NACSの芝居に活かされる事でしょう。
‥‥活かさないでか!!
寝ます。