卒業かあ。
もう10年以上前になりますが、
NACSと一緒に飯野君の御実家に遊びに行って、お母様の手料理をご馳走になったことがありました。
楽しかったなあ。あの頃。
ふと思い出しました。
大学時代に後輩の飯野君をお酒に誘ったら、「今日はかんべ~ん」なんつって自転車乗って遠ざかってったこととか、
そんなどうでもいいことも浮かんだり。
ラジオ局で街角レポートの準備をしてる飯野君となんてことない会話したり。
舞台で演じる飯野君を客席から観るたび、
「凄いな」と、
嫉妬したり刺激されたり。
そんなこんなで
ある時から一緒の事務所になって。
五年経ち。今となり。
こないだ、卒業をテーマにしたドラマの脚本を読んだとき
「遠回りした人は、優しく、強くなれる」って台詞がありました。
綺麗で甘く漠然とした言葉として、サラリと受け流してしまう人もいるでしょうが、
そんな言葉が、最近引っ掛かります。
志を持つ人は
皆、それぞれに意味のある遠回りをし続けていくのだろうなと。
自分自身への励ましと慰めの言葉として
いかんともしがたい壁を感じ
ヘコンだり
「こんちくしょう」と呟くとき、思いだしたりしています。
色々、変わっていくでしょうし、
僕の場合、酒に溺れて、ずっと遠回りなのかもしれないけど(笑)
今、舞台の稽古中でして。
演出家さんが
「役者が近道をして迎えた本番は、観ていてつまらない。」
とおっしゃっていました。
そうなのかあ、と思いつつ、
あーだこーだと言い訳せずに
自分自身に無いものを有るものにしようと、稽古しています。
結果はハッキリと出てしまうシビアな世界ですが。
あらいやだ。
なぜか自分の話をしちゃってる。
役者の飯野君に、思わず口走った戯れ言でございます。
御容赦。
いつか、一緒の舞台に立とうね。
僕も頑張ります。
とりあえず、
またね。
安田顕