近所で見た子供が奇怪な遊びをしていた。
小学校6年生ほどだろうか。3人の男子が集まっている。一人は見守り、二人は対峙してボクサーさながらに素早くステップを踏んでいる。
いや、ステップというには程遠い。ただの足踏みを素早く行っているだけか。たまたま動きが軽やかなのでステップを踏んでいるように見える。
が、突如二人は動きを止め、思い思いのポーズをとった。
…実に奇怪なポーズだった。
身体を捻り、ねじまげ、美しいとは程遠く、面白いというにも呆気にとられるしかないポーズ。
さらに驚くことが起きた。
どうやら彼らは勝ち負けを競っている。
いったい何を基準にしているのか。
暗雲立ち込める謎の迷宮に迷いこんだまま、彼らの近くを離れて歩き続けた。
通り過ぎて彼らを背中に感じていたが、やはり気になり振り返ると、その奇妙な競技は続いていた。