ってことで、おいらも相棒の万能君(ノートパソコン)を持って豊平川の河川敷に繰り出しました。
突き抜けるような青空と、川から吹いてくる気持ち良い風を受けながら、万能君と戯れておりました。
おいらの目の前には仲良く遊ぶ兄弟がいました。5歳くらいのお兄ちゃんと3歳くらいの弟。それをほほえましく見守るお母さん。なんとも平和な光景です。会話を聞く限り、お兄ちゃんがまーくん、弟がノンちゃん(もしかしたら弟ではなく妹かもしれない)。
するとそこに、川沿いのサイクリングロードを背広を着た疲れた感じのおじさまが、タバコを吸いながら歩いてきました。
携帯灰皿は持っていたが、子供の近くでタバコは危ない。“目に入ったらどうすんだこのやろう”なんて思っていたら、タバコに気づいたまーくんが
「おじさん、タバコ危ないよ~」
と、なまらめんこい声で注意しました。幼稚園の先生に教えてもらったのか、それともお母さんに教えてもらったのか、とにかくまーくんははっきりとそのおじさまに注意していました。
そのおじさまは立ち止まりタバコを消すのかと思いきや、まーくんを睨み付けて舌打ちをくれました。
…………いやいやいやいや、こらおっさん。幼稚園からやり直せ。明らかに悪いのはあんただぞ。
なんかイラッとしたので、歩き去るおじさまの背中に一言物申そうと思い声をかけようとすると、まーくんがお母さんに
「怒られた……」
と言って悔しそうな顔をしているのが目に入りました。決して泣きそうな顔ではなく、気持ちが伝わらなかったことに対する憤り……まで考えていたかどうかはわからないけど、おいらにはそう見えました。
お母さんも
「まーくん、よく言えたね~。えらかったね~」
と頭をナデナデして、心の底から褒めていました。
それを見て、おいらはそのダメダメなおっさんに物申すのをやめました。まーくんの勇気に水をさす気がしたから。
まーくん、君はきっと立派な大人になる。そのまますくすくと元気に育ちなさい。そしてありがとう。おいらは君から大切なことを教わった気がする。おいらも、もっと立派な大人にならなきゃね。
まーくん、ありがとう。