大阪に里帰りしてきました。目的は友達の結婚式。
中学、高校を共に過ごした親友で、一緒にバンドを組んでいました。(僕はド下手なドラムでしたが……)
いわゆる先生から目をつけられるタイプで、やんちゃだったその友達。でもわりと寂しがり屋で、高校を卒業して北海道や東京に僕らが行く時には、泣いてくれました。
その親友が、10年付き合った彼女と結婚しました。
10年……。
彼女は大変やったやろうな~。
結婚式の前日、少し会う事ができたんですが、式の準備がよっぽど面倒臭かったようで、ブツブツ文句を言っていました。
「やっぱり向こう(新婦)には色々こだわりがあるんやな。結婚式ってメチャメチャ大変や。あ~、しんどい!」
結婚式当日、ケーキ入刀を両家のご両親と一緒にしたり、ご両親や出席者の結婚記念日や誕生日を祝ったり、ただ二人が祝福してもらうのではなく、二人が周りに感謝する式でした。いろいろ仕掛けもあり、確かに準備が大変だったんだろうと感じました。
式の間、新婦はほんとに幸せそな笑顔。
新郎は……タキシードを着てはいるが、かしこまるわけでもなく、飾らないいつもの姿のそいつがいました。少し、照れくさそうに……。
年配の方が見たら、「もっとちゃんとしなさい!」と思うのかもしれませんが、僕は逆にそれがいいなと。素のそいつから発せらる言葉には、まったく嘘がないと思ったからです。
最後の新郎の挨拶。
「え~、ここに来るまで大変でしたけど、やってみたらあっと言う間で。こうやって、皆さんに祝福してもらったのがほんまにほんまに嬉しくて、この時間がもっと続けばええのにと今は思ってます。これからは、もうちょっと嫁さんを思いやって二人でやって行こうと思います。今日はほんとにありがとうございました!」
そう言って、深々と頭を下げました。
いい結婚式でした。
この結婚式の為に帰ってこれて、ほんとによかったと思いました。
そう、僕は結婚式の為に帰ったんです。でも、
スーツを忘れました……。
結婚式の為に帰ってきたのに、スーツを忘れました……。
慌てて買いに行きましたが、サイズがない。
大きいサイズをやっと見つけたら、身長2mの人用。
あきらめました。
結局、僕よりちょっと痩せている姉の友達の吉田さんから借りて、前のボタンがとまらないちっちゃなスーツで出席しました。
吉田さん、ありがとう。
あなたが居なかったら、僕は札幌から唯一持って行ったズボン、緑の短パンで出席するところでした。