早いものですね~。
香川公演がもう終わってしまいました。
まずは来てくれた皆様本当にありがとうございました。
そして一昨日の僕の書き込みの約束です。
初日の舞台で何が起こったのか。
どんなアクシデントがあったのか。
どうして僕らが悔しい思いをしたのか。
それを書かねばなりません。
きのうの舞台を観てない大半の方々は気になってましたよね。すみませんでした。
お話しします。
実はきのうの舞台の途中に……
一匹のコウモリが舞い込んだのです。
舞台の後半で、何度も舞台上をパタパタ、パタパタと飛び交ったのです。
そして僕と音尾の二人しか居ない、非常に重たい静かなシーンで、コウモリは舞台の中央を飛び回り(というより床を這いつき回るように飛び)遂にはお客さんが笑い出してしまったのです。
「は?コウモリ?」
っときょとんとしてしまうような話ですが、そうなのです。
こんな事は前代未聞でしょう。聞いた事がありません。
どこから入ったのかも分りません。
いつ入ったのかも分りません。
とにかくそのコウモリは舞台上を何度も、とてもシリアスな大事なシーンにも飛んでしまったのです。お客さんの笑いを誘う程に。
仕方の無い事です。誰にも予測の出来ないハプニングです。誰のせいでもないと思います。しいていうならそれが『舞台』というものなんでしょう。舞台は『生もの』なのです。どんな舞台もライブも
「いつ何が起こるか分らない」という可能性を持っているのです。
改めてそれを実感しました。
でも僕はそれがとても悔しかったんです。
そこで笑いが起きてしまったことでそのシーンで伝えたかったことがちゃんと伝わらなかった事が。
そこで笑ったお客さんはもちろんの事、笑わずに集中していたお客さんまでの集中が途切れてしまったことが悔しかったのです。
笑ったお客さんを責めてる訳ではありません。無理も無い事だと思いました。
(ただその後、シゲと音尾のシリアスなシーンでもまたコウモリが飛んで、またまた笑いが起きた時には、さすがにそこはこらえて欲しいと思ってしまいましたが……二度目だからね…ハプニングなのは分ってるんだから…笑うシーンじゃない事も分ってるんだから……とちょっとね)
ただ舞台は我々だけで作れるものではありません。観客の皆さんと一緒に作るものです。特に芝居はそうです。お客さんに舞台上の架空の世界に入り込んでもらわなくてはなりません。それにはかなりの集中力が必要です。
常に大音量の音楽がかかってる訳じゃありません。
全くの無音の時間もあるのです。そこで私語をされれば他のお客さんは集中できません。その瞬間目の前で繰り広げられていた劇場だけで成立していたリアルな出来事はただの『ウソ』になってしまいます。ただのセリフになってしまいます。
あのコウモリがパタパタと飛んだせいで物語に集中出来なかったお客さんが居たのです。
それが悔しいのです。あのコウモリ一匹のせいでお客さんが集中できなかった事が。
それで思わず書き込んでしまったのです。
「悔しい!!」と子供のように言いたかったのです。恥ずかしい話ですが……。
とまぁそんな事があった香川公演でしたが昨日、何とか千秋楽を迎えました。
両日ともとても暖かい拍手を頂きました。
本当にありがとうございました。
香川公演は色んな意味でとても思いでに残る公演でした。
この経験をまた自分の中に取り込んで、これからも芝居をしていきましょう。
皆さんよろしくです。
おっと気がつけばこんな時間です。
また書き過ぎました…。
いかんいかん。
最後に一言……。
「社長……お帰りなさい……。」
「遅くなってすんません……」