今日、昼の便で僕らの憧れの人は目的地へと旅立った。
「じゃ、行って来ます」
と言って、搭乗口で何の名残も惜しくなさそうに、わりと淡々と、見送りに行った僕らを背に手荷物検査を済ませていた。
社長の事だから「ピンポーン」と、金属探知機に引っかかって僕らから突っ込まれる社長を想像していたのだが、それもなくあっさりと通過していった。
行っちゃった・・・
と思った瞬間、こっちを振り向いて
「ばいば~い!」
両手で手を振ってくれた。
それを見て僕は何故だか涙が出そうになった。
頑張らなければ。
色々な思いを乗せた社長の背中を見て、僕は改めてそう思った。