山梨を出た。
特急あずさから見える景色は、
延々真っ黒な果樹の畑だ。
この木々があと数ヶ月で様々な色の花を咲かせると思うと、
それは目をみはる光景だろう。
今日は早起きをして、
梅が咲きほこる「不老園」という所に行ってきた。
好天に恵まれ、梅も九分咲きと、最高の環境で梅の香を楽しめた。
北海道ではまだまだ見ることのできないそのありがたさから、
シャッターを切る指も興奮に震え、三脚の力を借りねばならなかった事すら、
山梨の思い出として心に残るだろう。
山梨。初めて来たのに、なぜか不思議な郷愁を誘う土地だった。
日本人にとって心の原風景が、ここにあるからかもしれない。
明日からまた日常が始まる。
疲れたらまたここに来よう。
故郷は増えていくものだという事を感じる旅だった。