いよいよ明日開幕!
北海道フードフィルムフェスティバル!
HOKKAIDO FOOD FILM FESTIVAL
えーとっても言いにくいのですが、今回初開催ということで
準備が、、、えー、全く追いついておりません!
でも札幌中、日本中のさまざまなプロたちのお手をお借りしながら
なんとか食らいついているところです(笑)。
お客様をきちんとお迎えできるよう、ラストスパート頑張ってまいります。
東一丁目施設にもフラッグや看板が付きました!
明日は
オープニングイベントがございます。
賑々しいオープニングセレモニーや誰もが気になる「大泉洋・安住紳一郎のずみずみトークショー」とともに
オープニング作品としてドキュメンタリー映画「Mugaritz,No bread no dessart」を上映いたします。
こちらはサン・セバスティアン国際映画祭の今年のカリナリー部門の受賞作品なんです!
ドキュメンタリー映画「Mugaritz,No bread no dessart」
日本語に訳すと「ムガリッツ、パンもデザートもない」です。
ムガリッツとは、世界中のグルメから注目されるバスク地方にあるミシュラン二つ星のレストランで、
ただのレストランと言う勿れ。
非常に先進的な取り組みをされている、レストランと言うよりも、秘密の実験施設って感じの場所なのです。
我々スタッフは、この作品を北海道フードフィルムフェスティバルで上映できるかもしれない!
ということで、はるばるスペインまでサン・セバスティアン国際映画祭に参加しに行くことになったのです!
(もちろん、クロージング作品であるドキュメンタリー映画「北の食景」を
サン・セバスティアン国際映画祭のカリナリー部門に招待していただいた。
という理由が9割なのですが。11/24のこちらの
クロージングイベント&「北の食景」ジャパンプレミアもご注目ください!)
そして、なんと、私は超高級レストランである、ムガリッツに潜入することになったのです。
予約後にレストランからとどいた一通のメール。
スペイン語で「あなたはレストランを予約したと思っているでしょうが、それは違います。あなたは創造的体験を手に入れたのです(大体の意訳)」とのメッセージが。
メッセージを受け取ってGoogle翻訳をかけた瞬間、「お、おうぅ。」ってなりましたね。
これはなにか試されているなと。
今夜のディナーはタイマンだぞと。
やる気かコラと。
何が起こるのか不安に思いながら、ムガリッツに行ってきました。
ヨーロッパの田舎町の瀟洒な一軒家という趣の建物。
結婚式の会場に使いたい人が多いだろうな、、、!
今日のお皿に並ぶのかしら、、、!と想像させる丁寧に手入れされた植栽と
ハーブ類やお野菜やお花がの広々とした庭園があり
ゲートをくぐるととっても大きな樹齢200年の樫の木がある居心地の良い素敵なテラス
そして、ウェルカムカクテル用のウェイティングルームが。
まずはキンと冷えた美味しいカヴァをいただきました。
えぇスペインですもの。
まず一品目が出てくる前に
「日本人だね!ムガリッツははじめて?ここではスプーンやフォークは滅多に出てきませんよ(はぁと)。」
というのウェイターさんからの明るい事前宣告が。
そしていよいよ一品目。
卵大の木製のふたつきの器の蓋側に糊状のものが塗られ、カップ側には小さな白いお花がたくさんはいっている。
この、のり?ワセリン?を中指ですくい、カップのお花をくっつけて拾い上げてお召し上がりください。とのこと。
お。なるほどスプーンもフォークもないと。
ほうほう。
試してみました。
「んー味?んーお花ですね。」
なかなか感想がでません。
指を舐めたりしゃぶったりするだけでも、なんだかちょっと恥ずかしい。
ひとくち、ふたくち食べすすめるうち、気がつきます。
「あ、コレ、ナショナルジオグラフィックで見たことあるやつだ。
チンパンジーがシロアリの巣に指を突っ込んで、アリをたべるやつだ。
瓶の底のアリを棒使ってたべるやつの追体験だ。」
続いてわたしたちは気がつきます。
「え、もしかして今日のテーマって、人類の進化・・・・?」
二品目はコップに入った金魚鉢の金魚を飲み込むようなメニューで
内心「人間ポンプ園田さんの金魚芸みたいだな・・・」と思ったのですが
行為が衝撃的すぎて、味をほとんど思い出せません。
そして、いよいよ店内に案内され、
いくつかのメニューがでてきました。なんだか記憶が遠いです。
中盤くらいで禁断のメニューがでます。
かやぶきん風のナプキンで包まれたあたたかいものがはこまれてきて、
両手で受け止め、あたたかさを感じるように促されます。
そして優しく「プリーズオープン」と言われ
おそるおそる開いてみると、、、、そこにあったのは
あったかくて、やさしい、ぷるぷるの「おなか」とその「おへそ」です。
「舐めてみて。」
と言われたので、舐めてみると、なにかの美味しいオイルでした。
頑張って舐めていると、日本でお留守番しているネネさんがどうしているかな・・・ということばかり思い浮かびます。
このお皿で大事なのは「味」ではなく「おへそからオイルを舐め取る。」なのです。
なにかしらの原始的な気持ちが沸き起こる瞬間で
後頭部をぶっ叩かれる思いがしました(笑)。
ムガリッツはとにかくお皿の数が多い。
普通フルコースディナーといえば6-7品というところが多いと思いますが
ムガリッツは優に20皿超え。
そして、ひとつずつ紹介したいところですが
20品全てがものすごい情報量で、食べているこちらの処理能力も追いつかず、
英語で説明される解説も私の英語力では聞き取りきれず、
2ヶ月前のことなのにもう写真をみてもどんな味だったか思い出せないものもございます。
あまりにもインパクトがありすぎると、人間一旦脳から削除したくなるのかも・・・。
途中まで、宮沢賢治「注文の多い料理店」みたいに山猫軒に迷い込んで、
最後はくしゃくしゃの紙くずみたいにされちゃうのかもしれない。
と不安になりましたし、
本当にパンもデザートも出てこなかった。
最後は、再びあの素敵な樫の木のあるテラスに案内されて、美味しい珈琲をいただきました。
珈琲はとっても美味しかったけど
すごく美味しいだけだったので、
神聖世界から俗世に戻ったようで、
逆にホッとしました。
さて。
こちらがドキュメンタリー映画「Mugaritz,No bread no dessart」直訳すると「ムガリッツ、パンもデザートもない」の監督パコ・プラザさんです。
スペインでホラー映画界巨匠としてとっても有名な方なんです。
スペイン人は、あの、とんがりまくったレストラン、ムガリッツのドキュメンタリーをあの!ホラーの巨匠であるパコ・プラザ監督が撮った。
という話をきいただけで、
「あぁ、なるほどね!それはピッタリの組み合わせだ!」となるようなナイスな座組とのこと。
映画をご覧いただく皆さんは、ちょっと面食らうと思うのですが、
ぜひ、食らいついてごらんいただけたらと思います。
ゼロからイチを作る難しさ、トップレストランのシェフチームが毎年ゼロから新メニューの開発に取り組むという、クリエイションを知ることができる作品でもあるので、
シェフはもちろん、モノづくりに関わる人にもご覧いただきたい作品です。
というわけで、ムガリッツは「食べる」について本気でむきあう秘密の実験施設でした。
ディナーの途中で厨房ツアーをしてくれたり、ムガリッツの経験についてメモをする
KEYノートとペンをもらえたり。いろんなサービスが有りました。
レストランっていうか、遊園地に行ってきたみたいな、、、、!
さぁ、HFFF、うましパ、ノル締めとオフィスキューではビッグイベントが続きます。
引き続きみなさまどうぞよろしくお願いいたします!