Report
東日本大震災 復興支援企画
cube garden & 富良野演劇工場 presents
舞台「イシノマキにいた時間」「キッカケの場所」北海道公演レポート
東日本大震災でのボランティア活動を通じて見えてきた石巻を描いた「イシノマキにいた時間」、震災から3年、今の石巻を伝える舞台「キッカケの場所」を札幌・富良野・釧路で上演した本企画、2012年12月の公演に引き続き、オフィスキューの復興支援の取り組みの一環として公演実施に協力させていただきました。
2014年9月3日 「イシノマキにいた時間」
舞台「イシノマキにいた時間」は、全国各地で上演され、累計入場人数が1万人を突破しました。2012年12月にcube gardenで行われた舞台から1年半、今だからこそ伝えたい、あのときの”イシノマキ”を伝える舞台となりました。
作品紹介
東日本大震災後、石巻で活動する小さなボランティア団体「take action」の代表、宮川廣喜(ヒロキ)は震災後すぐに石巻でボランティア活動を始め、今も活動を続けている。実家が工務店の安田幸一郎(ヤス)はゴールデンウィークにやってきてから長期の活動を続けている。フリーターの飯田人志(ヒトシ)はバイトを辞める度に石巻にやってくる。どちらかというと、石巻にくる度にバイトを辞めている。飯田のように、何度も石巻にやってくるボランティアを「カムバック組」と呼んでいた。
2011年が終わる頃「いつまで?どんな支援を?誰のために?」被災地に残っているからこそ答えが出ない葛藤が生まれていた。そして今日も悩みながらも、朝からテンションの高い宮川と、ことごとく普通なテンションの安田のボランティアな1日が始まり、また飯田はバイトを辞めて石巻に戻ってきた。
2014年9月9日、10日「キッカケの場所」
札幌・富良野で上演された「キッカケの場所」は小橋亜樹も出演し、実際に「ThankCUE BUS TOURS」で石巻を訪れた小橋の思いも台本に反映されました。
作品紹介
「キッカケの場所」
ボランティア活動から少し離れて見えてきた風景は、石巻で出会った多くの人たちの覚悟でした。失われていく風景の先に見えた想い、見つけたキッカケと失ったキッカケ。まだまだ伝えたい、たくさんの「今」を描いたオムニバス作品。『かぞくのいる場所』『牛のキモチ』『キッカケの風景・ファインダーを通して』他。
Message from Katsushige Fukushima
なかなかチャレンジな札幌・富良野での【イシノマキにいた時間】と【キッカケの場所】の連続公演でした。初めての2作品同時上演で、しかも【キッカケの場所】は、小橋亜樹ちゃんと、栗栖綾濃ちゃん(富良野GROUP)という、北海道在住の女優さんとの共演だったので、今だからなのですが『どうなるんだろう?』と思ってました。
終わってホッとしながらも、回りのスタッフのみなさんは、大変だったなぁ・・・とヒトゴトのように思ってしまい、反省しております。いや、反省しておりましたが、結局、歴史は繰り返されて、ここ最近の公演は、どれも、スタッフさんたち大変物語です。
これまでの【イシノマキにいた時間】公演と同様に、今公演もオフィスキューのみなさんに全面バックアップしていただき、その輪が広がって、たくさんの人に協力していただき、お客さんに足を運んで観ていただくことができています。スタッフのみなさんへの感謝の上に、お客さんへの感謝が積み上げられています。
環境が変われば人が変わり、人が変われば、環境も変わるように、あたり前ですが、人のキモチも変わります。変わるというのはあたり前で、むしろ変わらない方が怖くもあります。
石巻に限らず、被災した町は、きっと町が変わることで人も変わっているだろうし、逆に、住む人が変化したことで、少しづつ町も変わっていると思うのです。
最近、よく思うのです、復興が進めば支援のカタチは変わります。では、支援が変わると、復興は進むのでしょうか?その支援は、誰のためなのか?と考えることがあります。
あの頃(被災当初)、支援は必要だったと思うのです。支援を必要としていたのは、支援される側だけでなく、きっと、支援する側にとっても必要だった気がします。あの頃、多くの人の中にあった『何かしたい』というキモチを納得させるためにも、支援という分かりやすいカタチは必要だった気がします。今はどうなんでしょう?支援をする側のキモチは、どう変わっているのでしょうか?あの頃あった『何かしたい』は、今も続いているのでしょうか?
今、必要なのは、支援ではなく、関わるという事のような気がします。
関わるというのは、支援とは違って、対等のような気がするのです。家族と、友人と、知り合ったあの人と関わる。そうあり続けるために、関わっていける作品を創りたいと思っています。それが出来るのは、公演を支えてもらっている制作スタッフや、公演に関わり続けて頂いてるオフィスキューのみなさんのおかげだと思っています。そして、何より観に来て頂いてる、みなさんのおかげです。
まだまだ、関わり続けて欲しいと思います。町に、そして人に。
今回の公演の活動報告は(これまでの活動報告も)HPに書いています。是非、そちらも読んでいただければと思います。ありがとうございました。
Message from Aki Kohashi
例えば「今日のお昼はカレーをたべよう。」と考えた時、カレーを食べることが出来るのは様々な状況が合致しないとそうならないと普段の自分は忘れている。確かに大前提としての意志は大きい。でも、単純に食べたいから食べた…ではない状況。石巻に行き、三年たったあの風景を見て「今だから…今だから来られた。」と思い「お昼にカレーを食べられる意味」がわかった。
時間は前にしか進まないから《今》には誰も居続ける事は出来ないし、だからこそ思いや状況はクルクル動くもの。善いことも悪いことも必ず原因があって結果が生まれる。線を引くには点がなくてはならないし、自身が自身の点を意識していくだけでその線は確固たるものになるのだろう。キッカケの場所は人生の気づき点。いつでもどこでも誰とでも。私の場合だけれども、気づいて感謝し また気づく。ありがとうに気づけた分だけ心がぷるんと元気になる。もちろん逆もたくさんある。けど陰があるから日向がある。三年前の私には思えなかったこと。
今の自分は思う。カレーを食べられる喜びに気づけるキッカケになれたらと。
実施概要
「イシノマキにいた時間」
■脚本・演出:福島カツシゲ
■出演:石倉良信 田口智也 福島カツシゲ
「キッカケの場所」
■脚本・演出:福島カツシゲ
■出演:石倉良信 田口智也 福島カツシゲ / 栗栖綾濃(富良野GROUP) 小橋亜樹
【札幌公演】
▼日程
「イシノマキにいた時間」
2014年9月3日(水) 18:30開場 19:00開演
「キッカケの場所」
2014年9月9日(火) / 10日(水) 18:30開場 19:00開演
▼会場
cube garden(北海道札幌市中央区北2条東3丁目)
【富良野公演】
▼日程
「イシノマキにいた時間」
2014年9月5日(金) 18:30開場 19:00開演
2014年9月6日(土) 13:30開場 14:00開演
「キッカケの場所」
2014年9月7日(日) 10:30開場 11:00開演 / 14:30開場 15:00開演
▼会場
富良野演劇工場(北海道富良野市中御料)
■主催:cube garden / 富良野演劇工場
■協力:北海道テレビ
【釧路公演】
▼日程
「イシノマキにいた時間」
2014年9月12日(金) 18:00開場 19:00開演
▼会場
釧路生涯学習センター(まなぼっと幣舞)大ホール(釧路市幣舞町4番28号)
■主催:「イシノマキにいた時間」釧路公演実行委員会
■協力:HTB北海道テレビ / cube garden / NPO法人ふらの演劇工房
■協賛:災害支援くしろネットワーク
■後援:釧路市 / 釧路市教育委員会 / 北海道新聞釧路支社 / 釧路新聞社・FMくしろ / NHK釧路放送局 / 釧路圏障がい者自立支援施設協議会
▼「イシノマキにいた時間」公式ホームページ
http://ishinomakitime.com/
▼富良野演劇工場
http://www.furano.ne.jp/engeki/
▼HTB「ハナタレナックス」
http://www.htb.co.jp/hanatare/ishinomaki/