支援への取り組み
第2弾 「いかのキューちゃん」せんべい【岩手県・(有)すがた】
「きたスマイルプロジェクト」第2弾は、岩手県。
宮古市の老舗「すがた」様のご協力をいただき、明治時代から続く宮古名物「いかせんべい」を限定販売します。
今回は、ファンクラブ会報誌の企画でおなじみフジヲ・ダ・ヴィンチこと藤尾仁志が、新道展入選後初となる描き下ろしのイラストをデザインした「いかのキューちゃん」オリジナルパッケージでお届けします。
「きたスマイルプロジェクト」の収益はすべて、被災地へ寄付させていただきます。また、東北の地域産品を販売することにより、被災地の産業復興と雇用創出を応援します。
「元祖すがたのいかせんべい」とは?
ほんのりした甘味の中にイカの風味が生きた一品「元祖すがたのいかせんべい」。その歴史は明治時代までさかのぼります。初代・菅田吉太郎氏が、宮古名物の干しスルメを使って、かき餅のように焼き上げたのが始まり。その後、イカの形をした焼き型手法、イカの味や風味を生かした製法を二代目・菅田吉郎氏が伝承し、三代目・菅田正一氏が改良を重ね、三代、半世紀をかけて完成。100年以上にわたって親しまれている、宮古を代表する菓子の一つです。ちなみに海産物を菓子にしたのは、すがたのいかせんべいが日本初だとか。
(有)すがたホームページ http://sugata-ikasenbei.com/
オリジナル「いかのキューちゃん」せんべい 商品ご予約受付は終了いたしました。
特集記事:藤尾仁志、「すがた」訪問
震災後、2か月余で復活。明治から続く宮古伝統の味
東日本大震災から間もなく9か月になろうという2011年12月8日。創作のイメージを膨らませるべく、北海道を飛び立った藤尾仁志。雪はないものの、体感的には北海道とさほど変わらないほどの冷え込みの中、いわて花巻空港から宮古市を目指します。道中、しばらくは震災の影響を感じられなかったのですが、宮古市街が近づくにつれ、車窓の景色に変化が現れました。がらんどうの室内を覗かせるぽっかり空いた窓、入り口や窓がベニヤ板でふさがれた建物、ひしゃげたシャッター、かつてそこに建物があったことをうかがわせる土台…。何度となくテレビに映し出された震災時の宮古市の様子が思い出されます。
閉伊川河口周辺に来ると、イカを煮たような食欲をそそる匂いが鼻をくすぐります。その匂いの元こそ、目指すいかせんべいの製造元「すがた」です。
2011年3月11日、「すがた」の工場は津波の被害に遭い、ほとんどの機械が使用不能に。その中で、一部は流されてしまったものの長年使ってきたイカの形の焼き型は無事だったそう。「すがた」のブランド推進室室長の菅田正徳さんに聞くと、5月13日に震災後初めて釜に火を入れ、その1週間後の5月20日から営業を再開したといいます。わずか2か月余りで立て直し、営業再開できた原動力はなんだったのでしょう。
菅田「お客様や取り引き先さんからの営業再開を望む声に応えたいというのが大きかったですね。そして、遠方の方が被災地のことを真剣に応援してくださる姿を見て、私たち若い世代が頑張らなくてはならないと気付かされました。震災後、宮古名物といえば“すがたのいかせんべい”との声をいただくことが増えたように思います。自分が思っている以上に、地元の方にいかせんべいが認知されていることを改めて知ることができてうれしいですし、再開して良かったなと思っています」
おいしそうなイカの匂いに誘われて、まずは工場を見学させていただきました。
藤尾「めっちゃ、いい匂いっ!そして、本当に1枚1枚手作りなんですね」
菅田「ずっと効率が悪いやり方だと言われてきたのですが、手作りだったことが幸いして、早期に営業再開できたのだと思います。被害を免れた焼き型はサビを落とせば、すぐに使えましたから」
とはいえ、焼き型の一部を失い、急きょ導入した機械のため勝手が変わった上に、人手も十分とは言えず、生産量は震災前の半分ほどの1日4000〜5000枚程度になってしまったそうです。
いかせんべいの味の決め手となるのが、三陸産のイカの粉末と、じっくり煮出したイカエキスたっぷりのダシ。臭みを取り、うま味だけを生かすダシの取り方は、代々の社長のみが知る秘伝だとか。
藤尾「イカの形をしているだけかと思って食べたら、めっちゃイカの味がするんですね。ほどよい甘味もあって、おいしいです」
菅田「イカの風味を生かしたダシの取り方には、特にこだわっています」
藤尾「明治時代から伝わるダシの取り方を知っているのは社長さんだけなんて、まるで一子相伝の北斗神拳のようじゃないですか。長年愛され続けるからには何か秘密があるに違いないので、今度、その秘伝のダシの取り方をこっそり教えてください(笑)」
イラストのコンセプトは『前向きに頑張っている岩手県の皆さん』
▲現在の店舗・工場と従業員のみなさん
▲震災当時の様子(写真提供:(有)すがた)
菅田「震災から9か月以上経ちますが、ここにいると分からないというか、時間に追われながらやってきたというのが正直なところです。ただ、仕事を再開して落ち着いてくると、失ったものの大きさを実感し、悲しみが湧くこともあります。一方で、震災後にさまざまなご支援をいただいて、初めて気付いたこともたくさんあり、今は前向きな気持ちで頑張っています。うちのいかせんべいを今回の企画で初めて知ったという方もいらっしゃると思います。これをきっかけに、ぜひ宮古名物の海産物を使った面白い菓子を味わっていただければ、うれしいです」
藤尾「宮古といえば、どうしてもテレビ報道で見たイメージが強く残っていましたが、実際に来てみて、元気で前向きに頑張っている皆さんと出会って、すべてがすごく明るい印象に変わりました。このイメージを膨らませて、パッケージ用のイラストを描きたいと思います。プレッシャーに負けそうですが、皆さんに喜んでいただけるよう全力を尽くします!」
というわけで、藤尾が描き上げたイラストがこれ!
名付けて、『いかのキューちゃん』
いかのキューちゃん 藤尾仁志(オクラホマ)作
藤尾「イカは“キュッキュッ”と鳴くのと、オフィスキューにかけて、『いかのキューちゃん』。イカの足が9本だったら完璧やったのにな(笑)。
パッケージに印刷されるイラストと言う事で使える色は“白”一色。
今までクレヨンの沢山の色を使った絵しか描いた事がなかったので不安はありましたが楽しく描かせて頂きました。気に入って頂けると幸いです。
岩手県を訪ねて一番に感じたのは、みんな頑張っているということ。そこで、すべての人たちが地に足を付けて頑張っている姿をイカの足で表現しました。サラリーマンやOLさん、スポーツ選手(岩手には、今シーズンからbjリーグに参加しているプロバスケットボールチーム岩手ビッグブルズがあります)等いろいろな職業の方、さらに人間だけでなく動物たちも…。そして、天に向かって伸びている1本の足。このいかのキューちゃんせんべいが、未来に明るい光が差し込むきっかけになればとの願いを込めています」
オリジナル「いかのキューちゃん」せんべい 商品ご予約受付は終了いたしました。
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2012「WHITEROCK KIZUNA」に
オリジナル「いかのキューちゃん」せんべいが登場!
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」(2/23(水)〜27(月)開催)東北復興企画「WHITE ROCK KIZUNA」にてオフィスキュー「きたスマイルプロジェクト」第二弾「いかのキューちゃんせんべい」が数量限定で販売されることとなりました。
日時:2012年2月23日(水)〜27日(月)
場所:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭「WHITE ROCK KIZUNA」会場内
夕張市本町「アディーレ会館ゆうばり」隣接地
※限定数の販売となります。売り切れの際はご容赦ください。